(一社)日本木造耐火建築協会は、都市における安心・安全な国民生活の実現のため、「木を現した耐火木構造部材」及び同部材使用による「中高層・大規模耐火木造建築」の普及を目的に2014年に任意団体として設立され、2016年に一般社団法人化いたしました。
1時間・2時間・3時間耐火構造の大臣認定を協会会員にオープン化し、会員相互が広く建築物への利用を可能にして、木造耐火建築の普及に取り組んでいます。マニュアルの策定や講習会の実施など積極的な活動を続け、多くの企業、団体の皆様のご理解をいただき、会員数も510団体となっています。
当協会が運用する耐火構造の大臣認定仕様による木造耐火建築は着実に増加しております。例えば、仙台市の製材を用いた純木造7階建てビル(2021年2月竣工)や横浜市の純木造11階建てビル(2022年3月竣工)等、民間の中高層木造耐火建築が実現しています。また、木質耐火部材を使用したS造やRC造とのハイブリッドビルも増加しつつあり、新たなイノベーションが続々と生まれています。
2010年に制定された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」は、2021年6月に「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称 都市の木造化推進法)」として改正され、同年10月に施行されました。民間の建築物にも積極的に木材を活用し、国産材の需要を高めることで、森林の適正な整備や建築物への炭素固定によるCO₂排出量削減に寄与し、地球温暖化の防止、地方創生、国土強靱化等の実現に貢献するものです。2050年のカーボンニュートラルやSDGsの実現を目指して、今後益々、木造耐火建築が普及していくことを確信いたしております。
私たちが起こしてきたイノベーションにより、日本の木造建築のレベルは過去に類を見ないほど高くなり、世界をリードするまでになっています。木の文化の国、日本から世界に、未来の都市のモデルを示す時です。今、都市の木造化を推進することは、私たちの子孫、そして世界の子供たちが住む未来の地球をより良いものに変えるための、意義のある挑戦です。
木造耐火建築が数多く実現し、森林資源の利活用や都市の木造化促進が、より良き未来の実現の一助となることを強く願っております。
一般社団法人日本木造耐火建築協会
会長 木村一義